恋をしたい。
家族が欲しい。
だから私はこの学校を選んだの。
きっと私はここで運命の出会いをするの……!
「き、桐野くん!」
私は勇気を振り絞って声をかける。
「…何?」
振り向いて鋭い目で私を見る彼は…桐野命斗くん。
私の未来の旦那様…になる予定の人。
「あの…今日の夕飯はどうしますか?」
私は真っ直ぐに桐野くんを見つめた。
「あー、今日も友達と外で食べるから」
「…わかりました!では、失礼します!」
私は一礼してからその場を去った。
「また一人ぼっちか……」
桐野くんとの初めての出会いは今から一年前の春。
この学校の入学式で出会いました。
私の通う七海学園は他の学校とはかなり変わった学校。
その理由は……。
世界一の結婚を目指し、パートナーと2人部屋で寮生活を送る特別な学校だから。
3年後に「金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)」というのが選ばれて、卒業と同時に入籍&大IT企業の社長になれるとか。
そのパートナーは超正確なマッチングシステム“デステニー”で選ばれる。