運瑠…待ってろ！すぐに行くから！
『運瑠ちゃんがギリギリまでここにいたがるのは一人になりたくないからだろう！』
運瑠がいつもギリギリまで帰ってこなかった理由がわかった。
「……っ」
一人ぼっちになりたくなかったからなのか。
『運瑠ちゃんのご両親は運瑠ちゃんの目の前で亡くなったの』
『え？』
目の前で両親を…？
『運瑠ちゃんのお父さん、結構お偉いさんだったからね。何か恨みを買ってしまったみたいでその人が家に押し入ってきたのよ。運瑠ちゃんは母親にクローゼットに隠れさせたのよ。でも少し空いていたみたいで見てしまったの。幸い犯人は捕まったけどきっと一人でいるのは怖いはずよ』
ごめん、わかってあげられなくて。
気づいてあげられなくて。
ごめん、ごめんな！
『運瑠ちゃんはたぶん両親のお墓にいるわ』
『あの子はいつもあそこに足を運ぶから』
「…本当にいた」
小さくて華奢な後ろ姿。
何度も見てきた。
運瑠の後ろ姿を……。