翌日、教室に入るとあたしの机がおかしいことにすぐに気がついた。

机の中から何かが飛び出している。

そして、漂う異臭。

ゴミ収集車のような匂い。

吐き気のする匂い。


「なに…これ…」


あたしは絶句した。


「あ、ぶーちゃ〜ん!あんたの机、どうしちゃったのぉ?」


麗華の意地悪な声が後方からする。


「ひど…!なんで…」


あたしは机に近づいて中を覗く。

生ごみ。

大量の生ごみが詰め込まれていた。


「くっさぁ〜!掃除してよ、ぶーちゃん。こんなくっさい教室で授業受けてくないわ〜。」


彩綾が普通に嫌な顔をしてあたしの顔を机にぶつける。

鼻に痛みが走って血が垂れる。


「ったぁ〜!」

「早く掃除しろっつってんの!」



ガンッ!!!




柑奈が机を蹴る。

机が倒れて生ごみが散らばる。


「きゃっ!」


近くにいた女子が飛び退く。

ひどい…ひどいよ…

あたしは涙を堪えて無言で生ごみを拾い集めていた。

なんで…なんであたしがいじめられているの…?

精神が削られる。

いつだったか、あたしは麗華たちに憧れていたっけ?

この人たちの本性はどす黒く汚れている。

あたし、何に憧れていたんだろう。

あたしは機械的に生ごみを拾い集めた。