あたしは麗華姫にウィンクをした。

麗華姫も笑って返す。




「そうそう。センセー。麗華姫を怒らせたら、あんた、潰されるよ?」



彩綾がタメ口で義仲に言う。

彩綾は、可愛い顔をしているが、意外と毒舌なんだ。



「分かったなら、もう何も言わないでくれませんかね?」



ななみんがクスクスと笑いながら言う。

ホント、馬鹿な先生。

麗華姫のことくらい、知っているでしょ?



「……。」



義仲は、静かに戻っていった。

あーあ。

無駄なことするからさぁ、面倒臭いなぁ…。



「ぶーちゃん、もういいよ、一旦みんなで合わせよ。」



麗華姫が言って、あたしたちは隊列を組んだ。

音楽に合わせて踊る。

でも、ただ踊っているだけじゃないよ、もちろん。

つまんないもん、そんなんじゃ。



——ドンッ…!



「あっは、ごめーん。手がぶつかっちゃった〜。そんな近くにいるのがいけないんだよ。」



——ズテーン!



「あれ?何してんのぶーちゃん。ゴキブリみたいに転ばないでくれる?踊りづらーい!」



あるときはわざとぶつかり、あるときは足をかけた。

その度に転ぶぶーちゃんを見て、あたしたちは高らかに笑っていたんだ——。