「白波さん、何をしているの?」
げっ…。
顧問か…。
ダンス部の顧問、義仲美優だ。
変な時に来ないで欲しいな…。
「なんですか?動画を撮っているだけですが。」
義仲は、怪訝そうな顔をする。
「なんでそんなに楽しそうにやってんの?それに、清水さん、どこか怪我しているんじゃない?」
あーもう。
無駄に勘がいいんだから…。
マジ、うざいんですけど?
あたしは、イラッとして言った。
「あー、はいはい。ぶ…愛香ちゃんのダンスが上手くできているか撮って確認しているんですよ。ていうか、麗華姫だって公認でやっているんですよ?何か文句ありますか?」
「そ…それは……。でも、清水さんが…。」
あーあー。
そういう生徒に無駄に寄り添おうとする姿勢、マジうざいんで。
痛いですよ。
だから新任の若い先生は嫌なんだ。
先生が生徒に寄り添おうとするの、マジで無駄だから。
「あ、義仲先生、麗華姫に逆らうと、よくないですよ。」
「っ、でも…!」
その時、麗華姫が義仲に向かってにっこり微笑んだ。
「あたしたち、何もしていませんよ、義仲先生?」
「っ…………。」
義仲は黙った。
ナイスタイミング!麗華姫。