「だめだよ愛香、コイツ、救いようがない。」



夜風が肩をすくめて愛香を見る。

ん?意味がわからない…。



「ん、しょうがない。だったら、消えてもらう。」



消え…!?
なに、物騒なこと言ってんのよこいつら!?



「ねぇ、松本さん?あなたのSNSを荒らしたのって誰だと思う?」

「し、知らないわよ!」



愛香が冷たい目をする。

もう、なんなのよ!?


あたしの背中に嫌な汗が伝った。



「あたしたちだよ。全部、あたしたち。夜風に協力してもらって、あんたのSNS荒らしたの。」

「へ…?」



愛香が差し出すスマホ。

あたしのSNSだ…

そして、愛香のアカウント。

あたしのSNSを荒らしたアカウントの一つ………



「もうひとつのアカウントは夜風のだよ。」




あたしの頭の中で何かがぷっつりと切れた。



「ふざけないでくれる!?」



してやられたの!?

あたしが?

あたしは、もう、すでに愛香たちの手中に堕ちていたの?

そんなこと…!



「いやだいやだいやだ!!あたしは、強者!!あんたたちに負けるような人じゃない!!」



悔しくてムカついて…

あたしは、頭を抱えて座りこんだ。



「また言ってるよ、松本さん。」



愛香が呆れたように言う。



「強者強者って…。意味分からない。普通の人間にはそんなの通じないよ。」

「やめてっ!!!」