「いまから、あんたを『弱者』とかいうやつにしてやるよ。」



八神が、耳元で囁く。


は…

なに?なに?弱者って?

あたしが弱者なわけないじゃん?




「何言ってんの?あたしが弱者ぁ〜?ふざけないでくれる?あはは!」




もう、面白すぎる。

笑えてくるんだけど〜。

あたしをどうやって落とす気?

SNSの件はちょっと油断しちゃったけど?

あんなのどうってことないし。

誰があんな書き込みしたのか、突き止めて、訴えてやるし。



「なに、笑ってんの?」



愛香があたしを睨む。

こわ〜い!

あっは。



「ね、マジで笑わせないでくれる?あんたたちがあたしを弱者にする?ぶーちゃんが?無理無理!あはは!復讐かなんかのつもり?ほんっと面白いね。」



復讐…。

そうか、復讐のつもりなのかな?

あたしへの?

でも、残念だったね。

無理だよ(・・・・)

あんたなんかに…!



「その根拠のない自信、どこから湧いてきてるの?」



愛香が言う。

愛香さ、急になにそんな目つきするようになったの?

八神がいるから?

バカみたい。



「経験だよ経験。あたし、今まで人気が鰻のぼりだったもん。今からあたしの人生が壊れることなんかないでしょ?」




あたしが自信を持つのは、みんなにチヤホヤされて育ってきたから。

それが当たり前。

あたしが弱くなるなんて、微塵も思っていないよ。