「提案に乗る…。つまり、寝返って『ブルーローズ・ユニオン』につくってことか」
「えぇ、その通りです」
冷静に考えてみると良い。
これは悪い話ではありませんよ。
これまでも、俺は色々な組織に引き抜きをかけられ、その度に断ってきたが…。
今回のお誘いは、今までより遥かに条件の良い引き抜きだ。
転職条件としては最高の部類に入るのでは?
十倍の報酬に釣られた訳ではない。
だって、何よりまずルルシーと一緒に、このルティス帝国にいられる。
これ以上に大切なことがあるだろうか?
「万が一アシュトーリアさんが死んで、アイズの身にも何かあったとして…次に天下を取るのはこのセルテリシアじゃないですか」
次の王様に媚びを売っておくのは大事ですよ。
「『万が一』のことが起きたときの為に、俺とルルシーの居場所を確保しておくのは大切だと思いますけど」
「…それは、俺もそう思うよ」
あ、ほら。
ルルシーも同じ考えだった。ほらね。
「今セルテリシアの手を取っておけば、俺達は安泰ですよ。転職すると言っても、同じ『青薔薇連合会』という組織の中での転職ですし。これまでの仕事も続けられるでしょう」
『ブルーローズ・ユニオン』は、『青薔薇連合会』の中で最も大きな傘下組織。
同じ『青薔薇連合会』という一つの組織の中での転職なのだ。
従って、俺達が『ブルーローズ・ユニオン』に転職したとしても、環境が今と大きく変わるということはない。
『ブラック・カフェ』の営業も、執事喫茶『raffine』の営業も。
ゴスロリショップの営業も、たくさんの夜のお店の営業も続けられる。
店そのものに愛着はないが、折角軌道に乗っている店の営業をやめるのは勿体ないからな。
その点、『ブルーローズ・ユニオン』に転職しても、これらの店の営業は問題なく続けられる。
イチから作り直す必要はない。
そこは楽ですよね。
これまで俺はルルシーと共に、どっぷりとルティス帝国裏社会の闇と影に浸かって生きてきた。
今更生きる場所を変えるのは、嫌だという訳じゃないけど面倒だ。
それに、面倒事は他にもある。
「万が一セルテリシアと敵対して、『青薔薇連合会』に追われる身になるのは御免じゃないですか」
「…そうだな」
『青薔薇連合会』の追跡を振り切るなど、面倒極まりないですよ。
隣国に逃げた…程度では、絶対に逃げ切れないし。
『青薔薇連合会』の魔の手から逃れる為、俺達は遥か遠くの国に逃避行しなければならない。
ルルシーと一緒なら、そんな二人旅も悪くないですけど…。
でも、いくらルルシーと一緒でも、今日の宿も覚束無い逃亡の毎日を送るのは御免だ。
愛着のある国ではないが、やはり住み慣れた国にいるのが一番居心地が良い。
ってな訳で俺とルルシーは、このルティス帝国の地で安住の場所を見つけなければならない。
『青薔薇連合会』の中にその場所を見つけられるなら、大変都合が良い。
この際、上に立つ首領が誰であっても構わない。
「媚びを売っておきましょうよ、セルテリシアに。『青薔薇連合会』で俺達の居場所を確保する為に」
「…あぁ。お前の考えも一理ある」
予想通り。
ルルシーは真っ向から反対することなく、むしろ頷いてみせた。
そうだと思いましたよ。
「えぇ、その通りです」
冷静に考えてみると良い。
これは悪い話ではありませんよ。
これまでも、俺は色々な組織に引き抜きをかけられ、その度に断ってきたが…。
今回のお誘いは、今までより遥かに条件の良い引き抜きだ。
転職条件としては最高の部類に入るのでは?
十倍の報酬に釣られた訳ではない。
だって、何よりまずルルシーと一緒に、このルティス帝国にいられる。
これ以上に大切なことがあるだろうか?
「万が一アシュトーリアさんが死んで、アイズの身にも何かあったとして…次に天下を取るのはこのセルテリシアじゃないですか」
次の王様に媚びを売っておくのは大事ですよ。
「『万が一』のことが起きたときの為に、俺とルルシーの居場所を確保しておくのは大切だと思いますけど」
「…それは、俺もそう思うよ」
あ、ほら。
ルルシーも同じ考えだった。ほらね。
「今セルテリシアの手を取っておけば、俺達は安泰ですよ。転職すると言っても、同じ『青薔薇連合会』という組織の中での転職ですし。これまでの仕事も続けられるでしょう」
『ブルーローズ・ユニオン』は、『青薔薇連合会』の中で最も大きな傘下組織。
同じ『青薔薇連合会』という一つの組織の中での転職なのだ。
従って、俺達が『ブルーローズ・ユニオン』に転職したとしても、環境が今と大きく変わるということはない。
『ブラック・カフェ』の営業も、執事喫茶『raffine』の営業も。
ゴスロリショップの営業も、たくさんの夜のお店の営業も続けられる。
店そのものに愛着はないが、折角軌道に乗っている店の営業をやめるのは勿体ないからな。
その点、『ブルーローズ・ユニオン』に転職しても、これらの店の営業は問題なく続けられる。
イチから作り直す必要はない。
そこは楽ですよね。
これまで俺はルルシーと共に、どっぷりとルティス帝国裏社会の闇と影に浸かって生きてきた。
今更生きる場所を変えるのは、嫌だという訳じゃないけど面倒だ。
それに、面倒事は他にもある。
「万が一セルテリシアと敵対して、『青薔薇連合会』に追われる身になるのは御免じゃないですか」
「…そうだな」
『青薔薇連合会』の追跡を振り切るなど、面倒極まりないですよ。
隣国に逃げた…程度では、絶対に逃げ切れないし。
『青薔薇連合会』の魔の手から逃れる為、俺達は遥か遠くの国に逃避行しなければならない。
ルルシーと一緒なら、そんな二人旅も悪くないですけど…。
でも、いくらルルシーと一緒でも、今日の宿も覚束無い逃亡の毎日を送るのは御免だ。
愛着のある国ではないが、やはり住み慣れた国にいるのが一番居心地が良い。
ってな訳で俺とルルシーは、このルティス帝国の地で安住の場所を見つけなければならない。
『青薔薇連合会』の中にその場所を見つけられるなら、大変都合が良い。
この際、上に立つ首領が誰であっても構わない。
「媚びを売っておきましょうよ、セルテリシアに。『青薔薇連合会』で俺達の居場所を確保する為に」
「…あぁ。お前の考えも一理ある」
予想通り。
ルルシーは真っ向から反対することなく、むしろ頷いてみせた。
そうだと思いましたよ。