そんな風に言われると、非常に魅力的に聞こえてきますね。

そのつもりなんて全然なかったのに、案外悪くないのでは?と思えてしまう。

「ルレイアさん。あなたのことは、私も噂を耳にしています」

ほう。さすが俺。

人気者ですからね。

「10年近く前に『青薔薇連合会』に加入し、当時としては異例の早さで幹部に就任…。その後も、いくつも幹部として数々の活躍をあげているそうですね」

ルリシヤとかルーチェスは、加入と同時に幹部就任でしたもんね。

今では俺なんて、そんなに異例の大抜擢でもないな。

「アシスファルト帝国や、箱庭帝国の代表とも旧知の間柄で…。大海を越えたシェルドニア王国でさえ、影響力を持っていると聞きます」

なんかちょっと過言な気もするけど、褒められて嬉しいからそういうことにしておこう。

「私は、そんなあなたを敵に回したくない。アイズレンシアさんより、ある意味であなたの方が危険だと思っていますから」

ある意味で、ね。

確かにある意味では…間違っていないのかもしれない。

だからってアイズを甘く見てたら、痛い目を見るどころじゃ済まないですけどね。

「だから私は、『ブルーローズ・ユニオン』の代表として、『青薔薇連合会』の次期首領として…あなたを味方にしたい」

「…」

『青薔薇連合会』の次期首領として…ね。

随分大きく出ましたね。

アイズという者を差し置いて、そういう言い方をしますか。

「私が『青薔薇連合会』の首領に就任した暁には、新生された『青薔薇連合会』の中にあなたの居場所を守ります。あなたとルルシーさんの居場所を」

「…」

「信じてもらえないかもしれませんが…『青薔薇連合会』次期首領として、絶対にお約束します。私はあなたを裏切りません。騙したりもしません…。だからお願いです、アイズレンシアさんではなく、私の手を取ってください」

と、言ってセルテリシアは、俺に向かって手を差し出した。

小さい、小娘の手だ。