前回までのあらすじⅠ
ルティス帝国の名門貴族、ウィスタリア家の次男として生まれたルシファーは、ごく幼い頃から帝国騎士になる為に厳しい訓練を受けて育った。
ルシファーは若干12歳の頃に、国内最高峰の帝国騎士養成校である帝国騎士官学校に入学する。
そこでルームメイトからの壮絶ないじめや、担当教官からの苛烈ないびりを受け、一時的に精神を病む。
最愛の姉に相談するも、冷たい言葉で突き放され希望を失ったが、転入生であるルキハに助けられ、それをきっかけに彼と親しくなる。
騎士官学校卒業後、ルシファーの努力は報われ、歴代最年少で帝国騎士団四番隊隊長に抜擢される。
そこで少しずつ功績を積み上げていったルシファーだが、とある件を機に、親友であるルキハがルティス帝国最大の非合法組織『青薔薇連合会』のスパイであることを知る。
ルシファーはルキハとの友情を再確認してから、彼の逃亡に手を貸す。
二度と会えないことを覚悟した二人だったが、ルキハが帝国騎士団から離反したその後、ルシファーは帝国騎士団長とルティス帝国の女王ローゼリアの思惑によって、女王暗殺未遂の容疑をかけられる。
冤罪を着せられたルシファーは、貴族権を剥奪され、帝国騎士団からも追放される。
信じていた帝国騎士団から裏切られ、絶望したルシファーは、自殺を試みる。
それを阻止したのが、ルシファーの親友であるルキハこと、ルルシー・エンタルーシアとその仲間達であった。
精神を病んだルシファーは、ルルシーの手引きでその後二年間、精神科病院に入院する。
回復が見込めなかったルシファーだが、入院中のある日、帝国騎士団の華やかなパレードの模様をテレビを通して目撃し、激昂。
ルシファーは帝国騎士団への憎悪と復讐心によって立ち直り、ルルシーを通じて彼の所属する『青薔薇連合会』に加入する。
その際ルシファーは帝国騎士としての自分の名前を捨て、以後はルレイア・ティシェリーと名を改めた。
ルシファー改めルレイアは、その高い戦闘能力と、蠱惑的な容姿を生かした巧みなハニートラップを用いて、次々に功績をあげた。
その功績が認められ、ルレイアは『青薔薇連合会』に加入して間もなく、幹部の地位にまで上り詰めた。
ルレイアの功績もあって『青薔薇連合会』は徐々にその勢力を拡大していったが、ルレイアの後釜として帝国騎士団四番隊隊長に就任したルーシッドは、『連合会』の勢力拡大を危険視し、ルティス帝国裏社会に巣食うマフィアの撲滅を訴えた。
ルーシッドの提案は、当初は否認されたものの、とある一件を機に、正式に採択される。
ルレイアはこれを阻止する為に、自身を破滅させたベルガモット王家の秘密と、一連の冤罪事件についての一切を公表し、帝国騎士団に大打撃を与える。
『青薔薇連合会』は、帝国騎士団に代わって混乱に沸く帝国内外を収め、帝国騎士団を実質配下に置くことに成功した。
その後、ルレイアは姉とも決別し、完全に闇に染まって生きることを決意する。
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前回までのあらすじⅡ
『青薔薇連合会』と帝国騎士団の、一連の騒動が落ち着き。
比較的平穏な日々が続いていたルティス帝国。
私立ランドエルス騎士官学校に通うルナニア・ファーシュバルは、多くの友人達に囲まれ、日々穏やかに過ごしていた。
しかし一方で、ルティス帝国には脅威が迫っていた。
ルティス帝国の隣国、箱庭帝国のマフィア、『シュレディンガーの猫』である。
祖国を追放された『シュレディンガーの猫』は、ルティス帝国に侵入し、数々の狼藉を働いた。
そのことに頭を痛めた帝国騎士団は、『青薔薇連合会』に協力を求め、『シュレディンガーの猫』の討伐を計る。
『青薔薇連合会』と帝国騎士団との会合の席には、ルナニア・ファーシュバルの姿があった。
ルナニアの本名はルレイア・ティシェリー。
ルレイアは、ランドエルス騎士官学校に潜んでいるという『シュレディンガーの猫』のスパイを探る為に、姿と名前を変え、学生の仮面を被り、ランドエルスに入学していたのである。
その後ルレイアは、ランドエルスに潜んでいた『シュレディンガーの猫』のスパイ、カセイ・リーシュエンタールを探り当てる。
彼はカセイに交渉を持ちかけ、『シュレディンガーの猫』の総帥、Xに会いに行く。
その際ルレイアは、『青薔薇連合会』は帝国騎士団を裏切り、『シュレディンガーの猫』に協力することと。
『シュレディンガーの猫』と協力して、帝国騎士団を討ち滅ぼすことを、Xに提案する。
Xはこれを受け、『青薔薇連合会』は帝国騎士団を裏切り、『シュレディンガーの猫』と同盟を結んだ。
しかしこの同盟は、ルレイアが仕組んだ仮初めの同盟であった。
『青薔薇連合会』は帝国騎士団を裏切ってはおらず、『シュレディンガーの猫』に協力していると見せかけて、後ろから『シュレディンガーの猫』を撃つつもりであった。
ルレイアはこの計画を帝国騎士団に納得させる為、自らの腹心であるルルシー・エンタルーシアを、帝国騎士団に人質として渡した。
帝国騎士団と協力しながら、『シュレディンガーの猫』にも疑いを抱かせずに協力するという、絶妙な均衡を保ち続ける中。
ルレイアはルナニアとしての仮面を被り、周囲を欺く日々を送った。
期が熟し、『シュレディンガーの猫』と共に帝国騎士団を討つ計画の前日。
『青薔薇連合会』は帝国騎士団と共に『シュレディンガーの猫』を襲撃する。
『シュレディンガーの猫』の総帥X、以下ほぼ全ての構成員がその場にて死亡。
ランドエルスに潜んでいたスパイ、カセイ・リーシュエンタールもまた、ルナニアことルレイアに撃たれ、志半ばで潰えた。
こうして『シュレディンガーの猫』を巡る一件は幕を閉じ、ルレイアとルルシーは『青薔薇連合会』に帰還した。
《外伝 あらすじ》
ルヴィア・クランチェスカは、『青薔薇連合会』幹部、ルルシー・エンタルーシア直属の部下であり、また『青薔薇連合会』準幹部であった。
彼はある夜、偶然身寄りのない占い師の若い女性と出会う。
女性の名はフューニャ。ルヴィアは行き場をなくしたフューニャを自分の家に連れて帰り、彼女と同棲を始める。
しばらく同棲生活を続けた後、フューニャはルヴィアに、自分が箱庭帝国からの脱国者であることを告げる。
国籍のないフューニャの為、ルヴィアは上司に頭を下げ、彼女がルティス帝国で生きられるよう、国籍を取得させた。
更にルヴィアはフューニャに求婚を申し出、フューニャはこれを受け、二人は夫婦として同じ姓を名乗ることになった。
事あるごとにフューニャに尻に敷かれ、妻に頭の上がらないルヴィアであるが、二人は深く愛し合い、新婚らしい幸せな日々を過ごしていた。
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前回までのあらすじⅢ
『シュレディンガーの猫』との抗争も終わり、『青薔薇連合会』に平和が訪れたのも束の間。
隣国箱庭帝国では、閉鎖された国を解放する為、武力を以て立ち上がった若者がいた。
若者の名は、憲兵局長官の息子、ルアリス・ドール・エーレンフェルト。
彼は『青薔薇解放戦線』と名乗る革命軍を率い、憲兵局と戦う為の助力を得に、ルティス帝国貴族フランベルジュ・ティターニアの手引きでルティス帝国にやって来た。
ルアリスは帝国騎士団と『青薔薇連合会』に使者を送り、助力を乞うが、ルレイアは革命軍との関わりを拒否する。
しかし、その後ルティス帝国に入ってきた憲兵局の追っ手が、革命に協力するルティス帝国民の命を狙い始める。
『青薔薇連合会』は革命には協力していなかったが、ルアリスが使者を送ったことにより「革命軍と接触した」と判断され、憲兵局の追っ手がルルシーを暗殺しようとする。
ルルシーを傷つけられたことに激怒したルレイアは、ルルシーを狙ったのが憲兵局だと知るや、革命軍に協力し、憲兵局に復讐することを決める。
ルレイアは、革命軍を指揮するには未熟だったルアリスを自分流に教え導き、ルアリスと、彼の率いる革命軍も徐々に成長していった。
その途中、憲兵局から和平交渉の申し入れがあり、ルアリスは罠と知りつつも故郷に戻るが、やはり憲兵局に捕らえられてしまう。
しかし、ルアリスは憲兵局の中に潜んでいたスパイ…『シュレディンガーの猫』の生き残りであるカセイ・リーシュエンタールの手引きで、ルティス帝国に帰される。
その後、ついに憲兵局との戦いが始まった。
『青薔薇連合会』が協力したこともあり、憲兵局はなすすべなく降伏した。
こうして、ルアリスは祖国を解放した革命軍の英雄として語られることになった。
しかし、箱庭帝国の革命は、その後ルティス帝国に波乱を巻き起こすことになる。
革命の余韻も冷めやらぬ、ある夜のこと。
いつも通りルルシーの家で夕食を共にし、帰宅していたルレイアの身に、暗殺者が迫る。
ルレイアに匹敵するほどの力を持ったその男は、ルニキス・エリステラと名乗り、ルレイアを暗殺しようとした翌日、自ら『青薔薇連合会』に出頭してきた。
ルニキスは『セント・ニュクス』の元リーダーだったが、組織を追われて転職する為にルレイアを襲い、『青薔薇連合会』の幹部になることを求めた。
ルルシーは反対したが、ルレイアがこれを後押しし、ルニキス…本名ルリシヤ・クロータスは『青薔薇連合会』六人目の幹部となった。
しばらくは、その出自と過去を隠していたルリシヤだったか、やがて『セント・ニュクス』が『青薔薇連合会』に宣戦布告してきたことにより、状況が一変する。
彼はかつて、クレマティス家という貴族の出身だったが、優秀過ぎた為に兄に疎まれ、貴族権を剥奪されてしまう。
その後親友となるグリーシュ・ベルスターと出会い、二人で『セント・ニュクス』を立ち上げたが、グリーシュは『愛国清上会』と名乗る謎の組織にそそのかされ、ルリシヤを裏切り、組織から追放する。
そしてグリーシュは『愛国清上会』に利用されるままに、禁止されている化学兵器を製造、使用してしまう。
この事態に、『青薔薇連合会』と帝国騎士団は『セント・ニュクス』を討伐することを決意する。
頑なに拠点の在処を隠す『セント・ニュクス』だが、ルレイアの機転によって無理矢理暴き出され、ついにルリシヤがグリーシュを討ち、両者の因縁に終止符を打つ。
アリューシャの恩人によって『愛国清上会』の拠点を突き止めたルレイア達は、帝国騎士団とも協力して、一気に襲撃を仕掛ける。
そこで『セント・ニュクス』に協力していた『愛国清上会』の正体が、憲兵局の残党であることを知る。
『愛国清上会』を討伐した後、ルリシヤは改めて『青薔薇連合会』の幹部として生きていくことを誓う。
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前回までのあらすじⅣ
ルレイア、ルルシー、ルリシヤの三人は、帝国騎士団長オルタンスからのプレゼントと偽られた旅行に向かう。
彼らが乗り込んだのは、シェルドニア王国の豪華客船、『ホワイト・ドリーム号』であった。
しかし、船の中で『白亜の塔』による洗脳を受け、ルレイアは昔の過去を思い出してしまう。
『ホワイト・ドリーム号』という名の洗脳船は、シェルドニア王国に向かう。
シェルドニア王国は、一見豊かで平和な国に見えて、その実は国民を洗脳し、強制的に従わせる洗脳国家であった。
一行が連れていかれたのは、シェルドニア王国の貴族、アシミム・ヘールシュミットの屋敷だった。
アシミムの目的は、現在の国王…自らの叔父を殺害し、囚われの身となっている弟を救い出すことだった。
その為に、ルレイアをシェルドニア王国に連れてきた。
ルルシー、ルリシヤの二名はヘールシュミット邸から脱出し、機を待ってルレイアを救出する作戦を立てる。
しかし、ルレイアは過去の記憶を書き換えられ、完全にアシミムに洗脳されてしまっていた。
一方ルティス帝国では、アイズレンシア、アリューシャ、シュノの三人を始めとして、帝国騎士団や箱庭帝国のルアリスも協力し、ルレイア一行を救出する為に画策する。
ルルシー、ルリシヤの二人は、アシミムの腹心でありながら、アシミムを密かに憎んでいた華弦(かげん)とも密通しながら、ルレイアを取り戻す為、二度目の奪還作戦を立てる。
これが成功し、ルレイアは自分の救世主を再確認する。
ルレイアは、シェルドニア王国の国王、密かにルティス帝国侵略を企んでいたミレド・トレギアスを暗殺。
無事に、三人揃ってルティス帝国に帰国する。
しかし、洗脳の影響が消えていないルレイアとルルシーは、過去とのけじめをつける為、それぞれ因縁の場所に向かう。
そこで自分達のアイデンティティを再確認し、改めて闇の中に生きることを誓うのだった。
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前回までのあらすじⅤ
シェルドニア王国での一件が収まった頃。
ルティス帝国は、不景気の波に襲われていた。
そんなとき、とある新興宗教団体が台頭する。
教祖ルチカ・ブランシェット率いる、『天の光教』である。
やがて『天の光教』は、ルティス帝国全ての国民が『天の光教』に入信することと、腐敗したルティス帝国の王侯貴族制度を打破することを目標に、
国内各地で、様々なデモ活動を行い始める。
一時は、国民のほぼ全員が『天の光教』を応援する空気が出来上がっていた。
そこで、現状の政治体制を維持したいという利害の一致で、『青薔薇連合会』と帝国騎士団は結託、『天の光教』と敵対することになる。
結果、帝国騎士団による経済政策と、ルレイアが半ば強引に行った、シェルドニア王国との貿易によって、ルティス帝国の景気は回復。
それを機に、『天の光教』信者は、次第に求心力を失っていく。
この事態に焦りを感じた、教祖ルチカ・ブランシェットは、自らを殉職者として、帝国騎士団の面々と『青薔薇連合会』の幹部達を道連れにしようと、自爆テロを試みるが。
『青薔薇連合会』幹部、ルリシヤの仮面の勘により、これを阻止。
『青薔薇連合会』と帝国騎士団の共同戦線において、ルチカ教祖を逮捕、後に『天の光教』は解体され。
『天の光教』騒動は、幕を下ろしたのだった。
一方、ルティス帝国王室では、名を知られぬ一人の王子がいた。
その王子の名は、ルーチェス・ジュリアナ・ベルガモット。
彼は、前女王のローゼリア、現女王アルティシアの弟であったが、不義の王子であるとの影の噂のせいで、あまり存在を知られてはいなかった。
更に彼は、姉ローゼリアの腐敗した政治や。
帝国騎士団長オルタンスが行った、かつてのローゼリア女王暗殺未遂事件で、当時四番隊隊長だった人物(ルレイア)に罪を着せ、事件を隠蔽しようとした行為、
そして本人が持つ「自分の人生は自分で決めたい」との意志のもと、密かに王宮で鍛錬を積んでいた。
ある日彼は、憧れの存在であったルレイアがいる『青薔薇連合会』に、単身襲撃を仕掛け。
紆余曲折ありながらも、ルレイアの弟子となる。
その後ルレイアの紹介で、とある風俗店に勤める女性、セカイと出合い、彼女と結婚を誓い合う。
二人は互いに愛情を深め、『青薔薇連合会』でも、ルレイアの弟子として信頼を獲得していく。
しかし、王族が一般人との結婚をすることは許されず、更に母親である王太后に無理矢理、政略結婚させられそうになったことと、
その折に、セカイには『青薔薇連合会』傘下の反政府組織から、多額の借金があることで、今も脅されており、結婚は出来ないと言われてしまう。
ルーチェスは師匠ルレイアの流儀を見習い、これら全ての困難を打ち破る為に、力ずくで『青薔薇連合会』傘下の反政府組織を打倒。
結果的に、王族としての地位を追われることとなる。
が、代わりにフィアンセであるセカイを取り戻し、同時に、正式に『青薔薇連合会』に加入。
ルーチェス・アンブローシアと名前を変え、『青薔薇連合会』特務諜報員、別名『裏幹部』に任命され。
愛する人との結婚を果たした上に、実質『青薔薇連合会』の幹部に上り詰めたのだった。
前回までのあらすじVI
『天の光教』事件の後、教祖ルチカ・ブランシェットの投獄により、ルティス帝国は一応の平穏を取り戻した。
しかし、『天の光教』が解散されてもなお、帝国内の若者達を中心に、社会主義的な政治思想が広まりつつあった。
その中心となったのが、ルティス帝国総合大学を始めとする、帝都にある大学の数々である。
若者達による社会襲撃運動を抑制、監視する為に、帝国騎士団は『青薔薇連合会』に協力を要請。
ルレイア、ルリシヤ、ルーチェス、そして帝国騎士団のルーシッド達は、それらの大学に学生として潜り込み、共産主義サークルの潜入任務を敢行する。
途中から、正体が割れかけたルーチェスの代わりに、シュノが潜入任務を引き継ぐことになる。
帝国内の共産主義サークルは、やがてルリシヤが潜入する、党首ヒイラ・ディートハット率いる『帝国の光』に集約される。
更に『帝国の光』は、秘密裏にシェルドニア王国の貴族を中心に、『白亜の塔』を再現した兵器、『光の灯台』の開発を進めていた。
これらの思惑を止めるべく、ルレイア達は策を巡らせ、動き出す。
その結果、無事に黒幕の排除に成功し、ヒイラ・ディートハットは死亡、『帝国の光』を始めとする、国内の共産主義団体も収束。
再び、ルティス帝国は平和を取り戻した。
――――――…あぁ、気が進まねぇ。
これから行われる「商談」のことを思うと、心底うんざりする。
それなりに長生きして、それなりにこの商売に携わってきた身として。
今回の「商談」は、いつもとは違う。
もっときな臭くて、怪しい匂いがする。
根拠がある訳じゃない。ただ長年の勘として、そう感じるだけだ。
だから、気が進まなかった。
出来れば近づきたくはない。断って、関わり合いになることを避けたかった…けれど。
「…そうも行かねぇよな」
俺だって商売をやってるのだ。「うちの商品を取り扱ってもらえないか」と営業しに来た相手を、無下に追い払う訳にはいかない。
しかも、今回の「商談」相手の親玉は、うちの上得意様と来た。
ますます、断る訳には行かなかった。
嫌でも、気が進まなくても…せめて話くらいは聞かなければならない。
「…ジュリスさん、そろそろ時間です」
「あぁ…。今行くよ」
部下の一人、マキナスが俺を呼びに来た。
さて、じゃあ行くか。…気は進まないが「商談」の会場に。