「事後報告?」

「シェルドニア王国には『帝国の光』…及び、『光の灯台』建設に手を貸した馬鹿がいるでしょう?」

あぁ、いるな。

誰のことかなど、言わずとも分かる。

シェルドニア王国の重要な秘密を知る、上流貴族であるにも関わらず。

子供っぽい動機で、家宝である『白亜の塔』の資料を持ち出し、ルティス帝国に飛び。

そこで『帝国の光』…そしてヒイラ・ディートハットに手を貸し、『白亜の塔』の模倣品、『光の灯台』の建設に関わった、ドラ息子。

「あのハゲ野郎が起こした騒動のせいで、シェルドニア王国でも若干揉めたらしくて」

「そうなのか?」

それは珍しいな。

シェルドニア王国は、犯罪発生率が最も低い国として有名だ。

まぁ、それにはからくりがあるのだが…。

国民の気性は穏やかで、争い事を好まず、平和主義を体現したような国だ。

揉め事が起きるなんて、滅多にないはず。

それなのに…。

さすがのシェルドニア王国でも、今回のハゲ野郎の暴走には、目を瞑ることが出来なかったか?