そして案の定、薫はいない。
予想はしていたが、やはり落胆を隠せない。
「……千歳、どうする」
「帰る……と言いたいが、今回はさすがにやばいから待つぞ」
すると、なゆがへえ意外とでも言うような表情をした。
……やっぱ、俺、バカにされてる?
仲間がやられっぱなしじゃ、総長としてかっこ悪いしな。
「お前らはどうする?」
俺が3人に聞くと、当たり前だろという顔で。
「俺も幹部の1人だ。当然待つ」
「僕も仲間がやられっぱなしは嫌だしね」
「俺は……『黒』のやつらと戦いたい」
やっぱり幹部にはこいつらが適任だな。
校門前で待つこと1時間。
誰かが走ってくるのが見えた。