「ねえ、三神緋」



ひえぇ、怖いよぉ……。



「あなた、私と……」



そこで一旦言葉を区切り、少し迷うような仕草をしてから。



「私と、友達になってくれない?」


「……………ふえ?」


「だから、私と、友達になってって言ってるの」



とも、だち?


えっと……。



「ま、まず……お名前を……」



と聞くと、少し驚いたような顔をして。



「私は鳴沢結衣(なるさわゆい)。知らない人がいるとは思わなかったわ」



あっ……!


前、教室で聞いた名前だっ。


改めて見ると、少し吊り気味の目と派手なメイクが似合っていて、そこにスタイルの良さが加わって、目を惹く美しさをしていた。


……でも、確か千歳を追いかけてる、とか聞いた気がするのに、私と友達になりたいって、どうしてだろう。


うーんとしばらく悩む。



「……嫌なら、そう言ってもらって構わないわ」



そうはっきりと言い切った鳴沢さん。


クールな顔をしているが、瞳が少し不安そうに揺れているように見えた。


……!


私は、何を悩んでたんだろう。