千歳に褒めてもらう想像をして、1人で恥ずかしくなってなんてことをしていると。
「ねえ、そこの“お姫さま”」
やけに刺々しい声がした。
急に来たこともあってか、思わずビクッとあからさまに反応してしまう。
ぎこちなく後ろを向くと。
派手にメイクをし、制服を着崩している、女子生徒が1人。
「…………」
「………な、なにかありましたか?」
情けないほど声は震えていた。
私のことを目を細めながら、無言で見つめてくる。
その後も、1秒、2秒と時間が過ぎていく。
ど、どうすればいいんだろう……。
などと戸惑っていると。
ズンズンと近寄って、私の腕を掴んで歩き出した。
「え……な……」
しばらく歩き、階段の裏まで来た。
すると突然。
壁ドン的な姿勢になる。
う……これって少女マンガとかで見るような、ヒロインが悪役に虐められるような場面に似てる……。
彼女が口を開く。