「緋っ!そっち行ったよ!」
「わかった!任せてっ」
……ここだっ!
ラケットを振ると、思った通り、シュバッといい音を出しながら、相手コートに落ちた。
ワアッッッっとクラスメイト達の歓声。
「内森さんと三神さんペア、すごいね!」
「相手、バドミントン部なのにストレート勝ちしちゃうなんて!」
「えへへっ。ありがとう!」
なんでもそうだけど、頑張って勝てると嬉しいな。
頑張ったかいがある。
「いやー、流石だね緋」
「鈴ちゃんこそ!教えてくれるタイミング、バッチリだったよ!」
勝てて浮かれた気分で更衣室に戻る。
千歳に言ったら、昔みたいに褒めてくれるかな。
……って何考えてるの私っ。