「緋?どうかした?」
「何かあったか?」
2人の声が聞こえてきて、顔を見るとすごく心配してくれているのが分かる。
「う、ううん。なんでもないよ」
すごくもやもやした気持ちを抱えながら、私はそこを後にした。
休み時間。
次の授業は……体育か。
嫌いじゃないけど苦手なんだよなぁ。
鈴ちゃんと一緒に更衣室に向かう。
「バドミントン、頑張ろ、緋!」
「うんっ。空振りだけはしないように頑張るね」
「緋がいたら負ける気しないけど」
「そんなこと、ないよ」
そう。
私は頑張るしかないんだ。
どんなことも。
できなかったら、また、朱奈ちゃんに嫌われちゃう。
もう……置いて行かれたくない。
「……よし」
気合を入れ直して、鈴ちゃんを追いかけた。