「~♪~♪」
という鼻歌がすぐそばから聞こえてきた。
この声は、千歳、だよね。
この人、生徒会長兼総長、なのに。
「なんで私の髪ばっかりいじってるの?千歳。ちゃんとお仕事しないとだめだよ」
と言ってみるが、まったくやめる気はないらしい。
それどころか、隣に座ってたのが、いつの間にか膝の上に乗せられてるし。
腰に腕を回して、頬をすりすりし始めたり。
くすぐったい……っ。
さすがに集中できなくなってきた。
「千歳っ。くすぐったいからやめ……」
そう呼び掛けている途中で気づく。
私の肩に頭を乗せて、寝ていることに。
「……一瞬で寝ちゃった」
仕事もせず寝てるなんてっ。
「……すぅ……」
すごく気持ちよさそうに寝てる。
起こすの申し訳ないけど、動くためだからっ。
そう思って、腕の中から抜け出すために動くが、抜け出せない。