一瞬きょとんとしてから、決まってるだろ、という。
「だって、これからずーっと緋と一緒に入れるんだよ?うれしいのは当たり前」
ずーっと一緒?
な、何それぇ……。
すると、車が静かに止まる。
「千歳様。到着いたしました」
「ん、センキュー。じゃ、行こうか緋」
降りるときにさらっと手を差し出してくれるのは、紳士だけどもっ。
ていうか、千歳様って、様って何!?
次に視界に飛び込んできたのは、ちょっとした小学校ぐらいあるんじゃないかという大きな建物。
全て白色に塗られ、金色の装飾がきれいなこの建物は、いったい……?
と思っていると。
くるりと振り返ってこっちを向いた千歳。
そして、少し真剣みを帯びた声で。
「ようこそ、お姫様。俺たち『白皇帝』へ」
しろ、こーてー……?
「ほーら、緋。ついてきてっ」
引っ張られながら、白い建物の中に入っていく。