心配になってきて、おろおろしていると。 それが顔に出ていたのか、少し寂しそうな顔をして。 「ほんとに何もないから。ただ俺が……」 何かを言いかけたとき、チンッとタイミング悪く最上階に着く。 私の頭には、言いかけたことの続きよりも。 言い表せない気持ちを抱えたような、寂しそうな顔が、ずっと残っていた。 どうして、だろう。 どこかで見た覚えがある。 あの顔は、あの裏にある感情は―――。