なにか、やらかした……?


やっぱり、私は何もしないほうが……。


ため息を抑えて千歳から離れようとして、そっと千歳の顔を見ようと下から覗くと。


……!


珍しく、耳や首まで真っ赤になっていた。


もしかしてこれを隠そうとしてたのかな。


か、わいい……。


この顔、朱奈ちゃんに送ってあげたい。



「緋はほんとに……不意打ちはズルいって」



ふいうち?


何がだろう……。



かと思えば。


むにっと頬を挟まれて。


そしていつの間にか、目と鼻の先に千歳の顔があった。



「っ、……んん…!」



逃げる間もなくキスされる。



思わず、一度、強く目を瞑ってからそっと開ける。



私を見つめる、千歳の目には、熱い熱い熱がこもっていて。


その紫色の瞳の全てから、私のことが好きだと伝わってきて。



体がカッと熱くなる。


そんな目で、見られたら……勘違いしてしまいそうになる。