ぼーっとしてるのも暇だし、やることないか聞いてみよっ。
「千歳っ。お仕事、なにか手伝えることある?」
資料作りとかだったら得意だからやりたいな。
「緋がやることは……特にないから俺のそばにいて」
ん、んんん?
「千歳はお仕事あるよね…?」
「うん」
「それ、私も手伝うよ」
「だーめ。お姫様は何もしなくていいの」
やるなって言われるとやりたくなっちゃうんだよっ。
「どうしても……?」
じーっと見つめると。
目を見開いて口元を手で押さえて、私の肩に頭を預けてきた。
「あー…ったく……」
困ったような、少し怒ったような声が聞こえた。