「ねぇ、千歳。これ、どこに向かってるの?私全くわかんない」
「ん-、着いてからのお楽しみってことで」
うまく言いくるめられた気がする。
むう。
改めて車内を見てびっくり。
ふつーに座っちゃったけど、座席、すっごくふかふかだ……!
しかも、L字の形をしていて、目の前にはテーブルが置いてある。
……これは、ほんとに、車っ……?
なれないことにだんだん緊張してくる。
助けてほしくて、千歳のほうを見る。
睨んでやるっと思っていたが。
「……」
すーっごく幸せそうな、甘い視線を私のほうに向けていて、思わず心臓がドキッと跳ねる。
怒るのはあきらめて、理由を聞いてみることにする。
「千歳?なんで、そんなうれしそうなの?」