「顔真っ赤な緋も可愛いなぁ、ふふっ」
至近距離で顔を覗かれる。
「み、見ないでっ」
「もっとみせてよー、俺そういう顔大好物」
大好物って……私は食べ物か何かですか?
うう~っと一人で悶えていると。
「緋、キスしたい」
「は、はい?」
え、急すぎるっ。
それに、朱奈ちゃんの好きな人なのに、妹の私が、そんなこと、許されるはずがない。
「む、むりだよ……」
いつの間にか、壁際に追い詰められて、壁ドンみたいな姿勢になる。
絶対、顔赤くなってる……。
目の前にいる千歳は、さっきとは違って、色気が漂っていて、思わずドキッとする。
「ね、いいでしょ、緋」
耳元でいつもより低く、甘く囁かれて、びくっと体が反応してしまう。