まあ緋が行きたいならしょうがないけど。


てか早く帰りたい。


緋とイチャイチャしたい。


しかもさっきから俺を見てくれないし。


もうさすがに限界になって、緋の肩を引き寄せた。



「んっ……?なあに、千歳?」


「薫なんかと話してないで帰ろ」


「うん!またね、かお……ってうにゃっ!?」



薫への挨拶をしている途中で緋を抱き抱える。



「じゃあな薫」



俺は薫の返事を聞くことなくさっさと部屋を出た。


出入口の所で俺たちを待っていた奴らと合流。


どうやら俺たちが地下で迷っている間に、そこら辺にいる『黒』の奴らを片付けて待っていてくれたらしい。


優秀だな、こいつら。


そんなわけで緋誘拐事件(?)はあっさり解決した。