わいわい騒ぎながら進んでいくと。
「あ、氷兎危な……」
「わっ……」
「っ……」
前を見てなかったからか誰かと氷兎がぶつかった。
「氷兎、何やってるんだ。……大丈夫か?」
俺がそう相手に声をかけると、ばっと頭を上げた。
「みーつけた」
「は……?」
俺の染めてない髪とそっくりな黒髪。
俺とそっくりな顔。
「久しぶりだね、兄さん」
俺は驚いて目をパチパチさせることしか出来ない。
「あれ〜も、し、か、し、て千歳くんの……」
「そ!どーも?『白』の皆さん。弟の千春です」
ふらーっとした感じで立っている千春。
「……千春」
俺がそう言うとパッと顔を輝かせた千春。
「どうしたの、兄さんっ」
「おお……いや、なんでいるんだ?」
戸惑いながらもそう聞くと、にっと笑って。
「そりゃあ俺が『黒』のメンバーだからだよ」
俺が先に家を出てったし、会えてなかったのもあって全く知らなかった……。
ちょっと気まずい。