「お前総長を踏み台にしやがって……」
「負けそうになってた癖に……さっさと行くんじゃねえの」
また言い返そうとして、小学生みたいな会話になる気がしてやめた。
「千歳。ようやく解析できたぞ」
俺が言い返すのを我慢していると、海咲がそう言った。
「お、どんな感じ?」
軽く尋ねながら画面を見ると、細かい線がたくさんある迷路としか言いようがないような地図が映し出されていた。
「なあ、これ薫の所まで行くのにどれぐらいかかる予想なんだ……?」
「……正しい道順で行こうとしたら、俺たちがひたすらに全力で走っても1時間半はかかるな」
サラッととんでもねえこと言ってんなぁ……。
「しかも飛び出してくる危ない人たちと戦ったりしてたらもっとかかりそう〜」
なゆの言う通り、出てくる奴らが1番邪魔。
……よくこれを学校の敷地内に造っていいって許可だしたな、学校側。
「まあ、よくゲームとかであるけどさぁ、近道するルートがどっかにあるんじゃな〜い?」
なゆがそんなことを言う。
そんな運良く知ってて、しかも俺たちに協力してくれるやつなんかいるわけねえだろ……。