海咲が緋の位置を探し出すまでこの迷路のような地下室を走り回って探していくしかないらしい。


だが、通路のあちこちから『黒』の奴らが飛ぶような勢いで殴りかかってくる。


さすがに角を曲がる時に警戒するようになってきた。


しかもその度少しスピードが落ちるからめんどくさい。


少し考えてる間にも、また角からまあまあでかいやつが飛び出してきた。



「うおっ!?いちいち邪魔な奴らだなっ!!」



足を出すと上手いこと躱された。


おっと……。


しかも体格が俺よりかなりでかいから抑えることはできても、反撃できねえ。


どうしたものかと思った瞬間、背中にすごい衝撃が来た。



「なっ……!」


「何やってんだよ、総長……!」



氷兎が上から飛んできた。


さっきの衝撃は氷兎が俺を踏み台にして相手を蹴ったらしい。



「ぐぅっ………」



うっわぁ……痛そう。


蹴りを食らった挙句、今も氷兎の足で踏まれているそいつ。