いつの間にか来ていた仲間と協力して調べたが、どこにも居ない。



「やっぱりか……」



薫のやつ、面倒くさいことしやがって。



「ちーとせくーん。ここなんかあるよ〜」



色んなところを探し回っているとなゆがそう言った。


なゆがいるところに行くと、出入口のマットを踏むと、かちゃという軽い金属音がした。



「なゆナイスー」



マットを雑にとると、金庫のような鉄の扉が出てきた。


まあ、罠じゃないことを祈るか。


そしてしっかり鍵がかけられている。


鍵はパスワードを8桁打ち込むものらしい。


こういうのはなゆの得意分野だし任せよ。



「も〜人使いが荒いなぁ、千歳くんは」



するとなゆはパスワードを打ち込むのではなく、何故か針金を取り出した。



「なゆ、パスワードを入れるんじゃないのか」


「ちょっと下を見てみなよ〜」



そう言われて、斜め下辺りを見ると、鍵穴があった。



「あ、鍵穴」


「多分こっちが本来の開ける方だと思うんだよね〜。パスワードは罠な気がするしね」



そう言ってなゆが手を少し動かすと金属が噛み合う音がした。


一体どこでこんなのを覚えたんだか。



「緋がこの先にいるぞ」



いつの間にか調べてたらしい海咲がそう言った。



「だが……とてつもなく道が複雑で狭そうだから全員で行くのは難しそうだ」


「じゃあ他の奴らにはここを見張っててもらうか」



そう言っていると外の遠くから何人もの人が走ってくるのが見えた。



「ちょうどまた来たみたいだしな」



頼んだぞ、と伝えると、威勢のいい返事が返ってきた。



「じゃあ、行くか!!!」



俺たちは勢いよく走り出した。