「薫絶対許さん」


「お、落ち着いて千歳っ」



ここ数日間、私のせいもあってか、というか確実に私のせいでストレスが溜まってるらしい千歳。



「……」


「千歳っお風呂入ってくるから離してっ」


「………」



無言でくっついてくることが多くなった。


なにか、してあげたい。



「緋……」



いかにも答えが分からなくて困った子どもみたいな顔をして私を呼ぶ千歳。



「どうしたの、千歳」


「ぎゅって、させて」



……いつもなら確認しないのに聞いてくるってことは、相当困ってそう。


ちょっと恥ずかしいけど……。



「ん、いいよっ」


抱きしめていると、千歳が肩にぐりぐりしてきた。


その様子はまるで飼い主に甘える犬。



「……っ」


「どーしたの、ひいろ」



眠たいのか声もふわーっとしてて。