「あっなら、囮作戦とかどう?」
沈黙が5秒。
「どんな風にやるんだ?緋。さすがに現実味がないだろう」
「え、ええっと……いつも来る宅配便に出てみて、わざと私が捕まる……みたいな……」
「「「「「却下」」」」」
幹部の人たちだけじゃなく、その場にいる全ての人から一斉に断られた。
「やっぱりダメだよね……」
「姫が危険に晒されに行くとか馬鹿じゃねえの」
鈴宮さんの鋭い言葉が胸に刺さった。
うう……。
「実際やるのには反対だが、作戦的にはいいと思うな」
入江さんが意外にもそんなことを言う。
みんなが話し合っている途中、ピロンッという通知音が私のスマホから聞こえた。
ん……?
「今の、緋?」
「うんっ。昨日頼んだ文房具、もう届きそうなんだって!」