【Side緋】
「緋は、朱奈のこと、どう思ってる?」
「そ、それはっ……それは……ぁ」
答えは、決まっているのに。
どうしてか喉に引っかかって出てこない。
「……っ、ぅ」
どうして、私は知ろうとしなかったんだろう。
そうすれば、こんなに冷たい思いをすることはなかったかもしれないのに。
蘇る記憶。
『緋!あれやりに行こう!』
『うう……怖いよぉ』
『大丈夫だって!』
『うう〜わかった!頑張る!』
手を繋いで、どんなところにも行けて、どんなこともできるような気がしていたあの頃。
『ずーっと一緒にいようね!』
『うんっ』
小指を絡めて、ずっと続くと信じていた、約束。
小さい頃に戻りたいよ……。
私は、朱奈ちゃんにもっとできることが、あったはずなのに。