軽く肩を揺さぶる。
が、何やらごにょごにょ言うだけで起きない。
起こすなら、もう動いちゃっていいんじゃない?
そう思い立って、動こうとする。
「うう〜、千歳起きてよぉ」
「ひい、ろ……」
ん?
寝言?起きてるの?
「おねが……も行かな……で」
途切れ途切れに何かが聞こえる。
なんだか悲しそうに見えて、離れようとするのをやめて、そっと手に触れる。
「……すぅ」
しばらくすると、少し荒かった呼吸が落ち着いた。
なにか、あったのかなぁ……。
力になってあげられればいいんだけど、どうしたらいいかわからない。
って、起こすの忘れてるじゃんっ。
どうにかして千歳を起こした。
「あ、緋。何回も言うけど、外、出ないでね」
「うんっ」
あっ。
「ねえ千歳。生徒会のお仕事なにかないかな」
「んんー……無いことはないけど……」
「じゃあ、それ、やらしてもらえない?」