【Side緋】



昨日、千歳が寝たあと、私もソファで寝てしまっていた。


寝る前は私の肩に千歳の頭が軽く乗せられているような状態だったのに、起きると、膝枕をしていて、恥ずかしさで眠気が吹っ飛んだ。


な、なんでこんな姿勢になってるの……!?


恥ずかしさに耐えられず、少し動こうとすると。



「う……んん……」



千歳を起こしてしまいそうになり、動くのを諦める。


疲れてたみたいだし、ちゃんと寝かしてあげないと。


そばにあるローテーブルに置いてあった小説を手を伸ばして取って、読み始める。


うーん……この本の最後ってどうなってるんだろう。


何回読んでもそれが分からない。


思考がだんだんごちゃごちゃしてきたから、本を閉じて、スマホを開く。


ホーム画面には7:30と表示されている。


そろそろ千歳を起こして、ご飯食べて、学校行かなきゃ……って行ったらダメなんだっけ。


まあ、しょうがないか。


なんかもはや私、吹っ切れてきた気がする。


とりあえず千歳起こさなきゃ。



「千歳、千歳」