風で揺れるカーテンとその隙間から入ってくるオレンジ色の夕日。



オレンジ色に照らされた私以外誰もいない教室。



最終下校時刻まで机に突っ伏して寝るのが私―――三神 緋(みかみ ひいろ)の日課。




今日も疲れたぁ……。




スマホのタイマーをセットして、腕を枕代わりにして寝る。




部活の人たちの声がBGMのように感じられて、私は眠りの世界へ落ちていく。





そういえば……なんだか、外から……女子たちの声がたくさん聞こえてくる……。



珍しい……今日、何かあったかなぁ……?



そして、スピーカーからと思われる、ザ、ザザッ……っという音が聞こえた気がした。


そこで意識が途切れた。






「……ろ、お……て」




聞いていて心地よい優しい声が聞こえる。



「かわ……も…」



そんな文にもなっていない優しい声とともに、頭をなでられる感覚。