される側のわたしは顔が真っ赤になっちゃって、小松先輩から『ドキドキするのはいいけど、あくまで笑顔で対処して』と注意されてしまったけど。
しょうがない。あれは凄まじい破壊力だったもん。
「小松、ちょっといい?」
最終確認が終わって、斑が小松先輩に話しかけにいった。
「最後まで気合い入ってるね、黒桜先輩」
「苫がかかってるんだから頑張ってもらわないと」
そんな斑を見ながらハルルとりらがわたしに声をかけてきた。
ハルルは照明として、りらは王族の娘役として劇に参加。2人とも『苫のため』と立候補してくれた。
「あたしたちも頑張らないとね」
「苫はだれにも渡さないからね」
「うん。ありがとう」
不思議と不安はない。
緊張も気づけば味方についていて、心地よさすら感じる。
紫藤先輩の劇もクリスくんの劇もすごかった。
それが却って、わたしもやってやろう!って気にさせてくれたのかもしれない。