『誓ってくださいますか?この先も私のそばにいると』
『えぇ、誓いましょう』
騎士と姫は永遠を誓いあい、国を捨て2人だけの人生を歩む──。
「はいオッケー。なにか気になるところがあれば今のうちに聞いて」
上演25分前。動きの最終確認が終わった。
小説ではキスシーンのあとに少しエピソードが挟むんだけど、劇ではキスシーンを最後に持ってきた。
そしてキスシーンは、口づけの代わりに『手の甲にキスをする』という演出に変わった。
小説版を知っている人からするともの足りなさを感じるかもしれないけれど、それをするのが“黒桜斑”なのでたぶん満足できるはず。
騎士といっても甲冑ではなく、王子さま風の衣装。
その格好をした斑が立てひざついてするのだから、小説版に負けず劣らずの胸キュンシーンになると思う。
実際にゲネプロのとき女子の奇声が飛び交ったし、男子からは『あれを平常心でできる黒桜すげぇ』と喝采が起こった。