たくさんの人がこっちを見ている。


その中でひと際目立つのが、西組のみんな。ハルルやりらたちが声援を送ってくれているのがわかる。


ぶんぶんと手を振ってくれているから振り返したいけれど、ここは我慢。


姫の衣装を着ているときは姫らしくいないと。


『服を身にまとった時点で物語は始まってる。これも戦術のひとつですよ』と演技指導の界さんに言われたから。


ハルルたちにはあとでお礼を言おう。


緊張するけど、応援してくれる仲間の姿を見つけると1人じゃないって思える。


だから、緊張さえも楽しめるのかもしれない。