あおりうますぎでしょ、と唸りたくなる司会者の言葉で、会場のボルテージは最高潮に。
『〈ミノタウロス〉テセウス役、亜白さん』
会場に向かって手を振る亜白先輩。
『〈新訳 桃太郎〉桃太郎役、紫藤さん』
堂々とした佇まいの紫藤先輩。
『〈紅あかしの妖鬼士〉明石役、紅里栖さん』
こぶしを天に掲げるクリスくん。
司会者の点呼とともに1人ずつ舞台に出ていき、最後がわたし……いや、わたしたちの番。
『そして、〈仮面の騎士〉はダブル主演!姫役の西ヶ浜さんと、騎士役の黒桜さん』
「行こう」
「うん」
斑にエスコートされて、わたしも舞台へと足を踏みだした。
「うおおおお!」
「とまー!かわいいー!!」
「似合ってるぞ、総長ー!」
す、すごい……!
舞台袖から人の多さは見えていたけれど、実際にスポットライトに照らされた舞台に上がると、その光景は『壮観』のひと言に尽きる。