「せーの、おい、大冴、聞こえてる?」


「あっ、悪い」



縄を回すのは身長が高くて同じくらいの2人だった。





菜摘は捻挫はしてないものの血が流れてるからなるべく膝を曲げないようにびっこを引いていた。



中庭に入ると後ろからふわっと身体が浮いた


えっ?



「菜摘、怪我したの?」



「陽平」



「久しぶりだな、保健室行くだろ、運んでやるよ」



「大丈夫よ、水で洗って絆創膏貼るから」



「まあまあ、甘えろよ」


「降ろしてよ」



「危なっ!大人しくしろって」



「だって……」



「相変わらず可愛くないな」



「別に陽平に借りを作りたくないだけよ、たいしたことないもの」



元カレの陽平のクラスは中庭で練習してたみたいで菜摘をみつけてやってきたのだ。


「見られて恥ずかしいなら顔隠しとけよ」



ハッ、また噂になるのは嫌だ


思わず手で顔を隠した。


「単純なやつ(笑)」


「彼女に悪いと思わないの?」



「今いないし、怪我人を運ぶのは彼女がいてもやっていい行為だろ?」



それは確かにそうだ、何も言い返せない。