「ん?」


「その日、おばあちゃんに会えたりする?」




「ばあちゃん?多分いるはず、ばあちゃん知ってんの?」



「前に野村くんのお弁当をね……ちょっと味見させてもらったことがあってね」



「へえ〜珍し、大冴がね〜」


昼休みにそんな時間あったっけ

サッカーでもしてる時かな?



「お料理が美味しくて少し教わりたいなって思ったの」



「わかった、ばあちゃんの料理は俺も好き、話しておくよ」



「ありがとう」



「こちらこそだよ、じゃあ帰るね、菜穂、また電話する」




「うん、気をつけてね」



2人は瞬弥を見送った。







月曜日の昼休みに大冴のお土産〜といって瞬弥くんがみんなに配っていく。


野村くんが自分で配ることはしないんだ(笑)



野村くんの席で西くんと話してる後ろ姿を菜摘は見ていた。


いつもの光景だ。



笑いはするけど瞬弥くんみたいに大笑いをするところは見たことないな〜



菜穂の部屋からも瞬弥くんの笑い声はよく聞こえるし


いつか、野村くんの本気の笑いを見てみたいなんて考えていた。



教室の前の入口に大橋さんの姿が見えた。


野村くんは気づいて席を立った。



入口を出て廊下を2人でこっちに歩いてくる。



廊下側の窓は全部開いているので2人の姿がばっちり見える。




ポケットに手を突っ込み大橋さんの言葉に頷いている感じだ。




机に肘をついて見ていると野村くんが顔をあげて目が合ったがすぐにフイっとそらされた。



あからさますぎだよ……はぁ……