菜穂に呼ばれて菜摘が部屋に来た。
菜穂はクッションに横になっていた瞬弥くんの横に座る。
瞬弥は体を起こして菜穂にもたれた。
「あのさ、2人にお願いがあって」
「ん?」
「カットモデルをしてみない?」
「カットモデル?」
「といっても、素人の練習台の方が正しいかも(笑)」
まだ学生だからと告げる。
「髪を切ってくれるの?」
「うん、真広って大冴の姉がいて、今年専門学校を卒業するんだよ」
真広さん……
瞬弥くんが前に言ってた人だ。
「お金とかは払えないけど終わったら家の庭でBBQでどうかな?」
野村くん家……
「いつも俺達は真広がカットしてくれていて、長い髪を切ってみたいって……ダメかな」
「私は全然OKよ、瞬くん」
「私も大丈夫よ」
「よかった、俺らの都合でゴールデンウィーク明けてからになっちゃうんだけど」
「いいよ」
「真広も喜ぶよ」
「あのさ……」
菜摘が聞く。