前を向くと西にじっと顔を見られていた。
「その明るい瞬弥と人見知りの大冴が何で一緒に登校?」
「何でって……」
どう説明するかな……一瞬考えた。
「顔が似てるんだよな、それに同じ名字」
西は何か考えているようで……
「もしかして、親の再婚で兄弟になったとか?」
コソコソと小さい声で聞いてくる。
「内緒なら言わないぞ、まあよくあることだし再婚同士の子供が好きに……痛てっ」
俺は耳元にあった西の手を力をいれて掴んで遠ざけた。
「痛えよ、大冴の力は半端ないんだからよ」
「勝手に想像するな!瞬弥とは従兄弟、あと家が隣だから...以上!」
「そっかー、隣りの家ね」
西は手首を擦りながら納得した。
「再婚同士なら顔は似てないだろうが」
時々西の考えはわからない時がある。
まあ、それもおもしろくて一緒にいるのだ。
「あー、雰囲気は全く違うけど顔が似てるって思ったんだよな、後ろから見たら間違えそうだ」
「間違えんなよな」
でも確かに後ろからは中学生くらいから身長が伸びてきて同じくらいになると間違えられ始めた。
顔も似てるけど、瞬弥はいつも笑顔だが俺は話すのが苦手でどちらかというと無愛想
顔が似ていても人に印象の与え方が全く違っていた。
当然俺に用事じゃなく瞬弥~と声を掛けられる事が多かった