和田がずっと見てるし、帰ろうとしない
「もう部活には出ないの?」と話しかけられる。
「んー、もう終わるかな……」
携帯で時間を見た。
「じゃあ、途中まで一緒に帰らない?」
「……いいけど」
返事をしたものの、女子となんて一緒に帰ったことはない
俺……話せるのか?
大冴は1階の職員室に鍵を返し、正門から2人は出た。
「あの本面白かった~」
「寝てたし」
「忘れて(笑)昨日遅くまで本を読んでて寝不足だったの、だからつい眠気が……」
「俺の本?」
「うん」
「ゆっくりでいいのに」
「おもしろくて読んじゃうのよ(笑)」
和田はクルクルと1歩前にいて前を向いたり俺の方をみたり嬉しそうに笑っている。
「今日借りた本もはまると思う……」
「読んだことあるの?」
「全部読んだ、もうちょっと進むと意外な展開がまっ……」
「ダメだよ~ネタばらしは(笑)」
前から手で口を塞がれた。
「ふふっ、内緒だよ」
頷くしかなかった。
大冴のポケットから携帯のバイブ音が聞こえた。
「ごめん、買い物頼まれた、次の角までな」
「あっ、うんいいよ、家はそこのコンビニ過ぎてすぐだから大丈夫
こっちこそ忙しいのに一緒に帰ろうって誘ってごめんね、また明日」
またクルッと周り大きく手を振って笑顔で小走りで帰っていった。