「見てて、ちょっと行ってくる」
「うん」
「先生これから会議なんだよ、これ鍵」
「はい」
「貸し出し方は大体わかるよな、よく借りてるから」
「はい」
「じゃあ、最後パソコン切って、電気も頼む」
「わかりました」
菜摘が面白そうな本を見つけて手を伸ばす。
くっ、あとちょっとが届かない。
背伸びもしてみた。
指が入れば取れそうなんだけどな
ちょっとジャンプをしてみた
えい!
「痛てっ」
頭に当たるものがあった。
菜摘が後ろを向くと顎を押さえてる野村くんがいた。
「ごめん!大丈夫?」
顎に触ろうと手を伸ばしたら大丈夫と避けられてしまった。
「これ?」
お目当ての本を取ってくれた。
「うん、ありがとう」
「危ないから椅子使えよな」
棚の端に椅子が置いてあった。
「わかった」
大冴から受け取った本をかばんの置いてある席に座って読み始める。
大冴はカウンターの中に入り座っていた。
静かな図書館
グラウンドの運動部の声だけが聞こえる。