ハァハァと息を合わせる


「えっろ……」


「んっ……」



「しばらくお預けだからな」



菜摘は目を開けた。



「な……んで?」



大冴は離れた。



「新人戦と国体とがある」



「そっか大会……その付き合ってくれるの?」


大冴の返事がない



「…………大会が終わったらな」



「ほ……んと?」



「悪いけど、これから1ヶ月、もうしばらく両片思いでいいか?」



「両思いなのに?」



「あぁ」



「(笑)わかった」



「何笑ってんだよ」



菜摘から弟を返してもらった。



「大冴くんでもそんな言葉知ってるんだって思っておかしくて」



「知識はある」


大橋の事がなければ、もっと早く付き合ってたかもなと嬉しい言葉もくれた。


そうしたらショートカットにもならなかったよな


少し自分の気持ちに気づくのが遅かったとも




「ねぇ、私達LINE交換してないんだよ」



菜摘は言った。





「知ってる……ん」



携帯を出してくれた。



「嬉しい……」



じっとLINEの画面を見ていた。



道着を来て形をしている後ろ姿だった。


「顔見えなくてもかっこいい(笑)」



「なんだよ、それ」



「お兄ちゃんはかっこいいでちゅね」



「志温(しおん)」


「志温くん、可愛いね」



部屋を出てお母さんに挨拶をして菜摘は帰った。


送っていくと言ってくれたが夕食の支度してるから志温くんと遊んであげてと言ったのだ。