「私なんか関係ないし」


「合宿までお手伝いして関係ないことはないんじゃない?」



「大冴くんの彼女と思われたら彼女に申し訳ないでしょ、あんまりお邪魔しすぎるのも」



「大冴くんに彼女が出来たの?」



「……わかんないけど、最近仲がいい子はいるかな」



「確かめればいいじゃん」



「いや……ちょっとそこまでは」



「まあ、明日は私も一緒だからいいじゃん」



次の日に朝からパウンドケーキを菜穂は焼いていた。




結局菜穂に説得されて午後から2人で母屋を訪問する。


「こんにちは」



瞬弥くんが出てきてくれてみんながいる部屋へ通された。



「初めまして、和田菜摘です、妹の菜穂です」


2人の紹介の時は必ず菜摘が先に紹介をする

和田家あるあるだ。


「いらっしゃい」



大冴くんのお母さんに瞬弥くんのお母さんと妹の由奈ちゃんに挨拶をした。



「可愛い双子ね」



お母さん同士が双子と聞いていたが産後だからか体型も顔もまだ少しふっくらしていた。



菜穂はおばあさんにケーキを渡した。



大冴くんだけがいなかった。


ちょっとホッとしてる自分がいた。


「菜摘ちゃん、サイド少しカットする?」



「いいですか?」