「予約しなきゃダメみたい、レンジだけでいいの?」
「レンジで温めてホットプレートで少し焼きめつけようかって話してて」
レンジとホットプレート?
「わ、わかった、家庭科室に行ってくる」
菜摘は家庭科室に走った。
「ごめん!もう予約が埋まってて借りるの無理だった」
戻ってきた菜摘はデザート班に謝った。
「え〜じゃあどうするの?」
「解凍してもうそのまま出すの?」
「ホットプレートは私の家の持ってくるよ、あと何人か協力してもらって集めてみるから……レンジは2日前にもういっぱいだった」
「え〜、それは私らが早く言わなかったって事が言いたいの?」
「ち、違うよ」
あ〜もう私のバカ!言わなきゃよかった。
「だってそう聞こえるし、逆にさ、借りるもの早めに言ってって言ってくれてたら良かったじゃん」
男子の手が止まっていた。
「何かもめてる?」
「和田が謝ってるな」
「ごめん……」
菜摘は自分の席に座ってプリントを読み直していた。
「和田?」
顔を上げると大冴くんがいた。
「泣いてるかと……」
本当は泣きたいよ……
「大丈夫だけど……はぁ、瞬弥くんがいないとこんなに大変とはね」
「瞬弥じゃなくて、文化祭実行委員がそもそも2人ともいない方が問題じゃね?」
「……そうだよね」
「とりあえずさ、座ってる暇はないんだからさ、やりかけのヤツやってくれよ」
「あっ、ごめん」
飾り付けの男子チームに戻った。