「菜摘、ちょっと来てよ」
「あっ、うん」
ごめんと言って衣装係の方へ行く。
「10分じゃん」
「まあまあ、男子の意見を通したんだからなるべくあてにせずに頑張ろう」
大冴が珍しく前向きだ。
「大冴は部活はいいのか?」
「ああ、大丈夫」
瞬弥がいない時は大冴がなるべく周りを見るように瞬弥に言われた。
とは言え瞬弥みたいな発言力はない。
様子を見ててとだけ言われた。
ありがとうと菜摘は言われて男子の手伝いに戻る
「これをハサミで切ればいい?」
「うん、蜘蛛の巣みたいにしたいから細くね」
「わかった」
「菜摘〜」
「はーい」
次はデザート班だ。
「ねえ、試食してもらいたいんだけど、いつどうすればいい?」
「えっ?試食か」
「必要でしょ?」
「そうだね、やっぱり放課後かな」
「家庭科室借りれるかな」
「他のクラスも使うところあるから、入れ替わりになるとおもうけど」
「当日はレンジ借りれるの?」
「ちょっと待って」
菜摘はプリントを見る