姿が見えなくなると急いで階段をかけあがる

バタン!


「菜摘!聞いて!」


「まーた、家の中くらいゆっくり歩いてよね」



携帯を見せた。


「交換した!」


「おー、よかったね」


「それとね、付き合ってくれるって」

「コンビニ?」

ぷぅーっと頬を膨らます

「違うよ〜」


菜摘は読んでいた本から顔を上げた。

「え?彼氏ってこと?」

「うん!」

「よかったじゃん、初カレおめでとう」

「うん!」

えへへっ


まー、嬉しそうにしちゃって……



まっ、菜穂は素直だし可愛いしね


それが新学期が始まる少し前のことだった。