「私はこんなに髪をくくることができないんだよ、これのせいで」
聖衣子は髪の毛をあげて首を見せた。
3cmほどの傷があった。
「それが何よ、傷あったって髪くくればいいじゃん」
「嫌だから傷も隠せてしばらなくてもいい長さをずっとしてるのよ」
「傷は私には何も関係ないでしょ」
「だって、大冴くんが……私を避ける」
「直接大冴くんに言いなさいよ」
「言えたらあなたを呼んでないわよ、髪ほどいてよ」
菜摘の後ろに回った。
「なっ、何するのよ」
後ろから手を首に回し片手でお団子を外した
もう!なんなの、大橋聖衣子
「菜摘ちゃん!」
「瞬弥くん」
「大橋さん、何で菜摘ちゃんを」
「だってお兄ちゃんからもう大冴くんを呼び出さないって言われて…私の唯一の楽しみだったのに……
どうせこの子と付き合いたいから私が邪魔になったんでしょ、傷ものにされたのに」
瞬弥は菜摘を麻耶の方へ連れていく